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ブレス鶏とジョルジュ・ブランそして我が息子 Part2

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20年前に家族で渡仏した時、子供達は5歳、4歳、3歳。
特に長男、賢は広東語、英語、タガログ語(フィリピーナのメイドがいました)
日本語、そして、悪夢のフランス語と激変の語学体験をしました。
そのせいか、それとも元々か、長い事 、人と上手く話せず変人扱い。
友達もできず、辛い学校生活の日々。
せめて、落ちこぼれない様にと母息子で猛勉強の毎日でした。
( 基本的に塾は無いんですよ、フランスは。)

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そんな訳で、夕飯のしたくも勿論、二人三脚。
当然のことながら、料理が彼の得意技に。

専門学校を終え、就職した先が三ツ星シェフ、ジョルジュ・ブランの
レストランの一つアンシエンヌ・オーベルジュでした。
三ツ星の前に此処で色んなことを仕込まれます。

日本の高級レストランでは3年ぐらいは下っ端で、
其の後、少しずつ調理場に立つらしいのですが、
フランスは初日から、いきなり実践です。
4年もいたらセカンドやシェフが務まるというのが常識。

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キッチンの仲間達、右端眼鏡が賢、隣がシェフ

運転免許が、教習所のコースが有る日本に対して、
フランスでは、学科が終わるといきなり路上教習になるのと
似てるかな⁇

初めての一人暮らしだし、モンペリエからは500キロ弱と遠方。
朝早くから、夜遅く迄、無事勤まるかなー⁇
と言う親の心配を他所に、どんどん成長していく彼に
家族全員が、賢すごいね‼︎

Georges Blanc
ヴォナ村はまるで童話の世界みたい

落ちこぼれ寸前の息子が、シェフの片腕となり、
同僚、後輩から慕われている姿を目の当たりにして
賢、良かったね‼︎と胸がジーン。
知らない土地で暮らすのは、楽じゃないよね。
まして外国だもんね。自分に言っているのか、
息子に言っているのか?

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家業を手伝うことになった息子がレストランを去る日、
ジョルジュ・ブランを始め全員がトークと言う
料理人が被る帽子に寄書きをしてくれました。
そして、シェフが特別メニューを私達親子に用意。
スタッフはアペリティフやコーヒー、プチフールを
サービスしてくれて、至れり尽くせり。
皆が、代わる代わる、別れの挨拶にやって来て
別れを惜しんだり、エールを送ったり…。

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友達もいなかった息子が、こんなに皆に愛されてるなんて
フランスに住んでて良かったなとまた一つ丸印。

そして我が家には、ジョルジュ・ブラン仕込みのシェフが帰って来ました。

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ブランお祖母ちゃんのブレス鶏クリーム風味

勿論、賢の得意料理は「お祖母ちゃんのブレス鶏クリーム風味」です。

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ブレス鶏と三ツ星レストラン・ジョルジュ・ブラン

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食と金融の街として有名なリヨンの郊外、
マコンとジュネーブを結ぶ高速道路にヴォナという出口が有ります。
この、ヴォナ村こそジョルジュ・ブラン帝国と言われている
三ツ星シェフ、ジョルジュ・ブラン一族の本拠地です。

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もう童話に出て来そうな素敵な村で、全て田舎風に統一、
春から秋までは沢山の花で溢れて居ます。

飯処として始めた最初のレストラン、アンシエンヌ・オーベルジュ、
三ツ星レストラン、スパホテル、ブティック、パン屋、ケーキ屋
が村の一等地を独占。

村役場は三等地ぐらいのとこかな⁈

Ancien Auberge
アンシエンヌ・オーベルジュ

アンシエンヌ・オーベルジュはジョルジュ・ブランの
曾祖父の代から有るレストランで、行商の鶏商人が主なお客さん。
祖母の代に、一ツ星、二ツ星と獲得したファミリーのルーツが此処。
鶏商人達の口コミがフランス中に伝播した証です。

この商人達が扱っているのが、
中世から高級食材として有名なブレス鶏、
正に、此のヴォナ村近郊が生産の本拠地です。

Poulet de Bresse
ブレス鶏

今日では、世界的に有名になったブレス鶏ですが、
ブロイラーの台頭で、一時存亡の危機に瀕しました。
此のブレス鶏を救ったのがジョルジュ・ブラン。
フランス、ヨーロッパ、世界中にブレス鶏を
宣伝して歩きました。

青い脚、白い羽、真っ赤なトサカ。
フレンチトリコロールの様なブレス鶏の味の秘密は何処に?

ブロイラーが40日そこそこの飼育期間に対して
ブレス鶏は最低4ヶ月広々とした敷地で放し飼い。
だから、肉がメタボではなくシッカリしまっていて
とても味わい深い美味しさが有ります。

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左が、おばあちゃんエリザ。右はお母さんポーレット。

レストラン・ジョルジュ・ブランの名物料理には
必ずブレス鶏が出てくるし、祖母の得意料理は
「おばあちゃんのブレス鶏クリーム風味」
アンシエンヌ・オーベルジュの看板メニュー。
飯処だったその昔、沢山の鶏商人から絶賛されたと言われてます。

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ジョルジュ・ブラン

祖母の後を継いだ、ジョルジュ・ブランは三ツ星シェフとなり
今では、ポール・ボーキューズと並んでフランス料理界の大御所になりました。
集客力の有る大都市を目指さず、
地元の村お越しに努めた彼の姿勢に脱帽です。

ヴォナ村に行くと、ジョルジュ・ブランがよく歩いていて、
特に、昼と夜は必ずアンシエンヌ・オーベルジュで
スタッフと食事をするのが常で、気軽に写真撮影に応じてくれます。

皆様も機会があれば是非訪れて見て下さい。

個人的にご縁が有った話は、パート2でご覧下さい。

Bon appétit !!

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